10月30日 決算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 まず、ホームレス対策について伺います。
 最近、錦糸町駅の北口と南口をつなぐガード下の通路や南口の駅ビルの周辺に、たくさんのホームレスが寝泊まりしているのを見ます。冬になると凍死するホームレスも多いのではないかと心配です。74ページの行旅病人死亡人取扱費では、29件で約500万円が執行されています。この予算は、基本的には墨田区で病気になったり、行き倒れて亡くなった方が対象です。この中にはホームレスも含まれていると思います。
 行旅病人死亡人の数は、ここ3年間はどのくらいいますか。また、この予算は家の中で死亡した身元不明な方のためにも使われていますが、そのような方は昨年何人いましたか。また、ホームレスの方は何人だったのか伺います。
◎福祉保健部長(大滝信一君) 
 行旅病人死亡人については、当初は旅行中に自分が住んでいる地域外で亡くなった方が対象とされた制度だと思います。現在はひとり暮らしの方が自宅で亡くなり、同居人がいない関係で特定できないため行旅病人死亡人扱いされる方が大半です。区外の方が亡くなる場合は極めて少数です。
◎厚生課長(池田善久君) 
 区内で死亡し、本籍、住所、氏名等が判明しないなどの理由で、引き取り人のない遺体については、「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき、区長が遺体の火葬等を行っています。過去3年間の件数は、平成23年度は23件、平成24年度は28件、平成25年度は29件です。また、平成26年度は、現在までのところ24件です。平成25年度に亡くなり、当初は身元不明でその後身元が判明された方は23人、現在もまだ身元が判明されていない方は6人です。また、自宅で亡くなられた方が22人、路上や公園等で亡くなられた方は7人いましたが、その方がホームレスかどうかは生活実態が不明な部分もあり把握は困難です。なお、身元が判明した場合は、遺族の方に遺骨の引取りと火葬等の処理費用を弁償していただいています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 ホームレスが墨田区内で死亡することは、人道上の観点からも是非避けたいと思います。そのためにもホームレス対策を充実する必要があります。ホームレス自立支援法が平成14年に成立して、平成24年には5年間の延長をしています。この間、ホームレス対策はかなり進み、東京全体ではホームレスの数もかなり減っています。
 そこで伺いますが、墨田区のホームレスの実態はどうなっていますか。平成11年には実態調査をしています。その後は、何か調査を行っているのでしょうか。現場レベルの印象でも結構ですので、現状についてどのように考えているのか伺います。
◎保護課長(三浦博司君) 
 ホームレスの実態調査については、都区共同で毎年行っています。今年の8月時点ですが、東京都がまとめた路上生活者の調査によると、23区全体の路上生活者は914人で前年同時期より143人の減、ピーク時の84%減という結果が出ています。墨田区においては、91人で前年同時期より12人の減となっています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 墨田区のホームレス対策事業は112ページの生活保護費にありますが、被保護者自立生活支援事業費が約892万円、住居喪失者等に対する応急援護事業費が約366万円、居宅生活移行支援事業費が720万円です。この三つの費用で、約2,000万円をホームレス対策に執行しています。かなりの金額ですが、それぞれの事業はどの程度の効果を上げているのでしょうか。
◎保護課長(三浦博司君) 
 被保護者自立生活支援事業ですが、これは元ホームレスの被保護者に対してさまざまな支援を行うものです。これにより自立した生活ができるようになる方もいます。
 住居喪失者等に対する応急援護事業については、住居を喪失した方などに対して、一時的に食事や住居等を提供するものです。住居の安定が図られるまでのつなぎとして、大きな役割を果たしていると考えています。
 居宅生活移行支援事業については、被保護者でまだ1人で生活するのは難しい方などを対象に、服薬や金銭管理などの支援を行っています。平成25年度は、この事業で32人がアパートへ転居できたという結果が出ています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 先ほど申し上げた錦糸町のホームレス問題ですが、冬には凍死する可能性もあります。また、錦糸町のイメージを悪くします。駅周辺に多くのホームレスがいては、女性は不安になると思います。ただ、区役所の職員がホームレスの方と話しても、施設にはなかなか来てくれないと思います。ホームレスの方の信頼を得なければなりません。そのためには、時間をかけて説得する必要があります。そのような仕事を区が行うことは難しいと思います。NGOのボランティアなどに依頼して、粘り強くホームレスの方と交渉しなければならないと思います。是非、そのような対策を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎保護課長(三浦博司君) 
 確かにホームレス問題は、なかなかなくならない現実があります。現在、ホームレス対策は都区共同で実施している側面があり、定期的に巡回相談を行っています。ホームレスの方の中には自ら望んでホームレスでいる方もいます。そういう方を説得するのは大変難しいと思いますが、今後も引き続きそういった巡回相談等の中で、粘り強く対応していきたいと考えています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 この問題に関しては、このまま放ってはおけません。是非よろしくお願いします。
 次に、墨田区のひとり親家庭に対する支援についてお伺いします。
 国は、ひとり親家庭に対する支援をきめ細かく行う方針で、特に就労支援などに関していろいろな政策を始めています。しかし、墨田区のホームページでひとり親家庭に対する支援を探そうとすると、そのページでは児童扶養手当とひとり親家庭等医療助成の二つしか掲載されていません。荒川区のホームページでは、それ以外にも児童育成手当、休養ホーム、税金の減額、就労支援、母子福祉資金、区の住宅など、全ての支援策を掲載しており、ホームページを見れば、ひとり親家庭が受けることができる支援策が全て分かります。ホームページのワンストップサービスについてお伺いします。
◎保護課長(三浦博司君) 
 分かりやすいホームページであることは非常に大切だと思っています。ホームページに関して広報広聴担当課長に確認したところ、来年度に区のホームページ全体をリニューアルする予定ということを聞きましたので、それに併せて検討していきたいと考えています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 是非見る人にやさしいすみだのホームページをつくってください。よろしくお願いします。
 120ページのねずみ昆虫駆除対策についてお伺いします。
 墨田区では、ねずみと昆虫の駆除対策として、地域で駆除方法の出張相談会をやっています。これに参加した区民に話を聞きましたが、ねずみが隣の空き家にいるので幾ら対策をしても効果がないと言っていました。地域ごとにキャンペーンをするなど、もう少し組織的に駆除の活動をしないと効果がないと思いますが、いかがでしょうか。
◎保健衛生担当部長(中橋猛君) 
 ねずみは屋外にいる野生動物で、薬剤や捕獲などによる防除により撲滅を図ることは難しい状況です。餌となる生ごみの排出方法の工夫、すみかとなる植え込みや空き家の管理など、繁殖に適した環境をつくらないことが防除の基本だと考えています。そのためには、まずは地域でねずみを増やさないための意識づくりと、地域での活動が最も重要です。ねずみの出張相談の周知と併せて、町会へチラシの回覧や区報等を通じて地域施策の重要性について意識の普及啓発を図りながら、希望する地域には町会単位等でもねずみ防除の出張講座を実施することで、ねずみの減少に取り組みたいと考えています。